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おばあちゃんの母性本能

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    2018-11-04
    23:07
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作者コメント:

目を覚ますと、そこは見慣れた病室だった。ああ、どうやら今回も、なんとか命拾いしたらしい。始「おお、気づいたか。あ、これ、まだ起きぬでよい。しばらくは絶対安静とのことじゃでな」枕元では大帝陛下が、優しげなまなざしでリンゴを剥いてくれていた。えと、なんで大帝陛下が…ここにいらっしゃるんで?始「なに、我が一番の暇人だったからよ。康熙たちも務めがあろうし、異国の娘らに面倒をかけるわけにもいかぬ。張本人のメスゴリラは、さすがに顔を合わせづらいらしく恐縮しきりじゃ。あれは相当、康熙に叱られたものと見える。難儀な母を持つと、娘は苦労が絶えぬのう」あー。なんとなく想像できます、黒陛下が母后陛下を怒鳴りつけてるとこ。始「そちも此度は災難じゃったのう。じゃが、堪忍してやれ。不出来な嫁でも倅の后、我にとっても義理の娘じゃ。娘の不始末の尻拭いとあらば、我も知らぬ存ぜぬとは言えぬ。…あれは、一途な女でのう。幼い子らを抱えて早くに倅と死に別れ、どれほどか辛くもあったろう。それに耐え忍べたのも、倅への想いがあったればこそ。そう思えば、我に責めることはできぬ。まあ、そちはとんだとばっちりゆえ、いくら恨んでもかまわぬがの?」一途って…俺、母后陛下には何度も何度も何度も(略)犯されてるんですけどー?始「惚れてもおらぬ男とまぐおうたところで、良い汗をかく気晴らしにしかすぎぬわ。それが証拠に、あやつがたったの一言でも『好き』じゃとそちに申したか?申してはおるまい。あやつほど一途な女はおらぬ。未練を通り越して妄執に近いとすら言えよう。あやつの心の中にはの、いまだ倅しかおらぬのよ。母としては嬉しくもあるが、婆としてはいささか案じてもおる。あの母を見て育った孫娘らも、その狂おしいまでの一途さを継いでおるやもしれぬゆえな。とりわけ妹の康熙などは…それが色濃い。くれぐれも若死になどしてくれるでないぞ、凡俗?…ああ、いや。凡俗はやめじゃ。そちは康熙の婿となる身、結納も交わしておらぬがもう決まった。他でもない、この我が決めた。そちは取柄など何ひとつとして無いが、康熙を想う真心だけはある。婿なぞというものは、それだけあれば十分じゃ。…なに?婿と呼ばれるはまだ早い?しからば何と呼べばよいかのう?可愛い孫の婿とあらば、そちも我の可愛い孫じゃが…ふむ?孫呼ばわりも照れ臭いと?何をいまさら。今の世を生きる者たちなど、我にはみな孫のようなものよ。伊達に二千年も生きてはおらぬわ。ほれ、口をあーんと開けい。婆が手ずから剥いたリンゴじゃ、孫の初仕事と思うてありがたく食べるがよい」か…勘弁して下さいよ大帝陛下、こっちまで赤くなるじゃないですか!?始「いいや、やめぬ。じゃが、そうさな…康熙と同じゅう『おばあちゃん』と呼んでくれれば、考えてやらぬでもないぞ?」そう言って、にっこり笑った『おばあちゃん』が、半分かじったリンゴを口移しで食べさせてくれた。なんだか、とても…甘くて美味しいリンゴだった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・白「甘かった。おばあちゃまのバブみを甘く見過ぎていたわ…」黒「口移しって…アレ、あたしがやろうと思ってたのに!あたしがやろうと思ってたのにぃ~っ!!」ラ「さすが、亀の甲より年の劫といったとこかしらね?こんなところに意外なライバルがいたなんて…」ア「ねえねえ、お見舞いにきたの?それとも覗きにきたの?お姉ちゃんたち、ホントはバカなんじゃないの?」
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