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ドラちゃん大活躍

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    2019-02-19
    23:00
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作者コメント:

どうも最近、なんか妙な視線を感じるんだよね。外に出かけると、まるで誰かに見張られてるみたいな?ベ「あらあら、それはちょっと穏やかじゃありませんね。旦那様にもしものことでもあれば一大事ですから、どうぞこれをお持ちになって下さい」そう言って、ベイちゃんがなにやら可愛らしいマスコットの付いたキーホルダーを渡してくれる。ええと、コレは…ドラゴン?なんか見た感じ、ゲームに出てくるチビキャラみたいだけど??「ぴゃあ~!」うわ!ビックリした!こ、このマスコット、鳴いたよベイちゃん!?ベ「えへへっ、可愛いでしょ?この子、あたしの使い魔でドラちゃんって言うんです。ふだんはこんなに小っちゃいですけど、旦那様に何かあれば、きっと助けてくれますからね♡」そ、そっか。あんまり頼りになりそうな顔してないけど…ありがとうベイちゃん、忘れずに持ち歩くよ。・・・・・・・・・・・・兄さんの監視を始めてはや一ヶ月。雨が降っても雪が降っても、ギリースーツに身を包み、ただひたすらスコープを覗くのにも慣れたものだ。拉致を実行するための、兄さんの行動パターンの把握も、おおよそ完了したと言っていい。毎週月曜日の午前中には、近所のコンビニに行く。ジャ〇プの発売日だからだ。でも、コンビニは近すぎる。毎週金曜日の午後には、駅前のパチンコ屋に行く。でも、連れの女が一緒について行く場合もある。残るは、毎週水曜日の夕方、一人で愛車に乗ってガソリンスタンドに給油に行くときだけだ。幸い、あまり交通量の多いルートは通らないし、見通しの悪いT字路で信号待ちするポイントもある。やるなら、ココだ。そして、今だ。兄さんの車がガレージを出た。急いで先回りして計画通りに運べば…兄さんは、私のモノになる。待っててね、兄さん。運命の出会いが、兄さんを待っているからね♡・・・・・・・・・・・・信号が青に変わり、発進しようとしたとき、目の前に飛び出してきた女の子が、いきなりバッタリと倒れた。急ブレーキを踏んで、あわてて女の子に駆け寄る。怪我でもしていたら、救急車を呼ばないと!ところが、女の子を抱き起したとたん、脇腹に鋭い電撃が走る。体中の力が抜けて、そのままうずくまる。?「ごめんね、兄さん。でも、兄さんが悪いんだよ?私のこと忘れちゃった、兄さんが…」スタンガンを片手に、女の子がすまなそうに眉をひそめる。『なんで、こんなことを?』と訊きたくても、痺れた唇からは声が出てこない。と、そのとき。耳をつん裂く『キシャアアアッ!!』という凄まじい雄叫びとともに、大気が震え大地が揺れる。とてつもなく巨大で凶暴な、なにかの黒い影…それが、俺の覚えている最後のことだった。?「な!なによコレっ!?いったいなんなの!!ナニが起こってるのっ!?」・・・・・・・・・・・・気がつくと、いつもの病室のベッドに寝かされていて、白黒両陛下やみんなが心配そうに見つめていた。横を見ると、あの女の子も隣のベッドに寝かされていて、まだ意識を取り戻していないようだった。そしてテレビでは、報道特別番組のテロップとともに『市街地に突如出現した謎の巨大生物が、破壊の限りを尽くして、民間人とみられる男女二人を捕まえたまま、どこかへ飛び去って行った』と伝えていた。べ「ご、ごめんなさい~っ!!悪い子じゃないんです!本当はおとなしくていい子なんです!ただちょっと、久しぶりに大きくなれたんで、はりきりすぎちゃったというかナンというか…あ、あたしが悪いんですっ!『何があっても旦那様を護ってね♡』とか、テキトーすぎる指示出しちゃったのがいけないんです~っ!!」気にしないで。ベイちゃんは悪くないし、ドラちゃんも悪くないよ。理由は分からないけど、たぶん、悪いのは俺なんだと思う。だって、あの子は…あんなにも悲しそうな、辛そうな、切なそうな顔をしていたんだから。
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